国文法入試問題解説にかこつけた語り
中学で習う国文法というのは、
試験に出るから仕方なく勉強する、
という人が多いかもしれないが、
しっかりと勉強しようとすると結構面白いものだ。
たいていの人は英語も一緒に勉強するだろうから、
英文法と比較し、日本語と英語の違いを研究するというのも面白い。
俺も英文法をしっかり勉強してから、日本語に改めて向き合ってみると、
なるほどと思うことが多い。
はっきり言って国語や現代文ができない人、文章が下手な人は主語と述語さえ怪しい、
わかっていないということが多い。
まずはこの問題を見てほしい。
(平成28年度埼玉県・国語)
さて、この問題は下線部の中で連用修飾語とは何か?と問う問題だ。
「連用修飾語」と聞いて、正直大人でもわからない人は多いのではないかと思う。
分けて説明していこう。
まず修飾語。
修飾語とは、
ほかの文節を詳しく説明する文節のことだ。
文節っていうのは、「ネ」で区切ることのできるアレだ。
英語は単語や句、節で修飾、被修飾を考えるが、
日本語は文節で考えるのだ。この辺の違いも面白い。
だから日本語の文法の授業ではひたすら文節の区切り方を叩き込まれるってわけだ。
単語の区切り方まではわからないが、文節の区切り方ならわかる。
という人間も多いだろう。俺もその一人だった。
英語は単語はしっかりと区切られているのにね。その代わり句や節をしっかりと識別できるようにしないといけないわけだが。この辺の違いも面白いね。
「連用」とは何か。
連用形などというものもあるように。用言に連なるということだ。
用言というのは活用のある自立語のことである。
つまり、動詞、形容詞、形容動詞の3種類だ。
この辺、活用のある、とか自立語とか、形容動詞とか、
一つ一つ理解していないとよくわからなくなってくるので、
この問題はかなり高レベル、難易度の高い問題ということになる。
基礎基本の勉強は本当に大事だね。毎日勉強が欠かせない。
結局、連用修飾語とは「用言を含む文節を詳しく説明する文節」というわけだ。
ちなみに連体修飾語というのもあり、最初が「体言を」と変わる以外は同じだ。
このことに留意して傍線部を一つ一つみていこう。
解答にも書いてあるのでさらっといこう。
ア「大きな」
二つの大きな箱を手に取った。文意から「箱」を修飾しているのは明らかである。
「箱」は体言(名詞)だから連体修飾語である。
イ「どちらの」
どちらの箱にも見つからなかったが、
これも箱を修飾している。連体修飾語。
ウ「はたして」
これは少し難しいが、英語の副詞に該当する言葉だ。
副詞は名詞以外を修飾する言葉だ。
よって、連用修飾語。
はたしては「果たして」だから、動詞と助詞。はたして~だろうか。などと使うことが多いから、名詞を修飾するわけではないことがわかるだろう。
エ「生えた」
毛の生えた赤茶色の触覚
触覚を説明している言葉。連体修飾語。
オ「羊毛のような」
羊毛のような毛
毛を修飾する連体修飾語。
カ「残らず」
残らず間近から眺めた。
残らず眺めた、のだから動詞を修飾している。
連用修飾語。
答えはウ、オ